
吸音性能を備えた天井
今回は、内装リフォームで施工する機会の多い「シプトーン天井」について詳しく解説します。
昭和から平成初期に建てられた住宅やアパートでは現在でも多く採用されており、リフォームの現場でも「塗装できるの?」「張り替えないといけないの?」というご質問をいただくことがあります。
そこで今回は、シプトーン天井の特徴やメリット、塗装する際の注意点について、ご紹介します。
シプトーンとは、石膏ボードの表面に細かな穴や凹凸模様を施した化粧石膏ボードのことです。表面に無数の小さな穴が開いているのはデザインだけが目的ではなく、室内の音を吸収する吸音性能を高める役割があります。
そのため、住宅だけでなくアパートやマンション、学校、病院、事務所など、さまざまな建物で採用されてきました。
シプトーン天井は耐火性にも優れており、石膏ボードならではの防火性能を持っています。
また、比較的施工しやすくコストパフォーマンスも高いことから、多くの建築現場で長年使用されてきた実績があります。
一方で、長年使用するとタバコのヤニや生活によるホコリ、キッチンからの油煙、湿気などの影響で黄ばみや黒ずみが発生しやすくなります。
特にシプトーンは凹凸があるため、汚れが奥まで入り込みやすく、雑巾で拭くだけではきれいにすることが難しい天井材です。
その結果、部屋全体が暗く古い印象になってしまうことも少なくありません。
しかし、シプトーン天井は下地が傷んでいなければ塗装によって美しく再生できる場合が多くあります。
張り替え工事に比べて費用や工期を抑えられるため、アパートの原状回復工事や住宅リフォームでも多く採用されている施工方法です。
シプトーンは凹凸があるため、一般的な平らな天井より施工が難しくなります。
ローラーを一定方向だけで転がすと凹部へ塗料が入り切らず、塗りムラが発生することがあります。
そのため、縦・横とローラーを動かしながら塗料を均一に行き渡らせ、凹凸を埋め過ぎないよう塗布量も細かく調整します。
こうした職人の経験や技術が、美しい仕上がりを左右する重要なポイントになります。
また、ヤニ汚れやシミが強い場合には、いきなり上塗りをするのではなく、シーラーやヤニ止め塗料を使用することもあります。
適切な下地処理を行うことで、時間が経ってから汚れが浮き出る「ヤニ戻り」を防ぎ、長期間美しい状態を維持しやすくなります。
「古いシプトーンだから交換するしかない」と思われる方も少なくありませんが、状態によっては塗装だけで新築のような明るさと清潔感を取り戻せます。
実際に当社で施工したアパートでも、経年によって黄ばんだシプトーン天井を塗装しました。
張り替えだけが選択肢ではなく、塗装という方法も有効なリフォームの一つなのです。
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