塗料だけじゃない!?ローラーの毛の長さで仕上がりは変わります!

職人はなぜローラーを使い分けるのか?

 外壁塗装というと、どの塗料を使うかに目が向きがちですが、実際の現場では塗料と同じくらい大切なのが施工に使用する道具です。
その中でも特に仕上がりへ大きく影響するのがローラーの毛の長さです。

ローラーには短毛、中毛、長毛といった種類があり、外壁材や塗料の性質によって使い分けられています。
見た目はどれも似ていますが、毛の長さが変わるだけで塗料の含み方や吐き出し方が変わり、完成後の仕上がりにも大きな違いが生まれます。

例えば、凹凸の少ないサイディング外壁に長毛ローラーを使用すると、必要以上に塗料が付着してしまい、表面にムラが出たり、塗料の使用量が増えたりすることがあります。
逆にリシン壁やスタッコ壁のような凹凸の大きい外壁に短毛ローラーを使用すると、表面だけが塗れているように見えても、細かな凹み部分まで塗料が入り込まず、本来必要な塗膜厚を確保できない場合があります。

塗装工事では、ただ色を付けるだけではなく、塗料によって保護膜を形成することが重要です。そのためには適切な量の塗料を均一に塗布する必要があります。
ローラーの毛丈は、その塗膜形成に直接関わる大切な要素なのです。

また、ローラーの毛の長さは作業性にも影響します。
長毛ローラーは一度に多くの塗料を含むため作業効率が良く、凹凸面にも追従しやすい反面、塗料の飛散が増える傾向があります。
一方で短毛ローラーは飛散が少なく、平滑な面を美しく仕上げることができますが、凹凸の大きな外壁では塗料が届きにくくなります。

実際の現場では、一つの建物をすべて同じローラーで塗装することはほとんどありません。
外壁材の種類や劣化状況、使用する塗料によってローラーを選び分けるだけでなく、同じ外壁でも場所によって使い分けることがあります。
それほどまでにローラー選びは仕上がりと耐久性を左右する重要な工程なのです。

外壁塗装は完成するとどの家もきれいに見えます。
しかし本当に差が出るのは数年後です。適切な下地処理を行い、外壁材に合ったローラーを選び、規定量の塗料をしっかり施工する。
その積み重ねによって塗料本来の性能が発揮され、長持ちする塗膜が形成されます。

お客様から見ればローラーの違いは小さなことかもしれません。
しかし職人にとっては、建物を長く守るために欠かせない大切な道具のひとつです。

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